2019年大野城市議選における選挙ポスター代の候補者別公費負担額

当会は2019年12月に大野城市に対して公文書開示請求を行い、2019年4月に行われた大野城市議会議員選挙における候補者別の選挙運動用ポスター代の公費負担額の情報を取得した。

公職選挙法143条の一部を抜粋して要約すると、市議会議員や市長の選挙においては、選挙運動用ポスターの作成に係る費用を、市は条例の定めるところにより無料とすることができる…とある。
大野城市には「大野城市議会議員及び大野城市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例」が定められていて、選挙運動用自動車の使用や選挙運動用ポスターの作成に関して、上限額内で、その費用を公費で負担してもらえる。つまり、選挙期間中に掲示板に貼られる選挙ポスターの作成費には、市民が納めた税金が使われる。

公選法の趣旨は、金のかからない選挙の実現と候補者間の機会均等を図ることにある。よって民主主義を支えるためには公費負担はやむを得ないとも言えるが、それらの費用が血税で賄われることを考えれば、候補者はコスト意識を持つことが当然求められる。

選挙用ポスターに関して、当会の知り得る限りで若干の説明を加えると、選挙用ポスターは以下のような仕様で作成されることが通例である。その他の一般的なポスターとは異なる点もあり、その分作成料金が高くなることも推測される。

  1. 屋外掲示なので、選挙期間中の雨にも耐えられるよう耐水性の高い紙を使用する。
  2. 色褪せないように耐光インクを使用する。
  3. 立候補届け出後、市内各所の掲示板にできるだけ早く貼付する必要があり、また剝れにくくするためにも特殊な加工を施す。
  4. 選挙用ポスターは目立つ必要があり、4色刷り仕様とする。

一方で、印刷業者のホームページなどによると、選挙用ポスターの印刷代にはデザイン料というオプション料金があることもわかる。実際に特別なデザインを依頼する候補者がいるかどうかは定かではないが、有権者にしてみれば、「選挙用ポスターは顔と名前と公約が載っていれば事足りる」のではないだろうか。

下の表は、大野城市より開示を受けた公文書を基に、各候補者に支払われた(実際の支払先はポスター作成業者)ポスター代の公費負担額をまとめた表である。
なお、

選挙公営支払状況一覧

立候補者氏名ポスター枚数はいずれも134枚(※上限枚数) 上限金額¥380,962
提出日支払業者金額支払日
神田 徳良5月20日株式会社 エーディ企画印刷¥304,7166月5日
原田 真光5月8日株式会社 ピンズファクトリー¥335,0005月27日
松崎 百合子4月30日アイ・プロジェクト 岩木 手古奈¥159,4605月27日
井福 大昌4月22日合同会社 独立社パブリックリレーションズ¥380,9625月15日
関岡 俊実※選挙公営の届出なし
井上 正則4月26日株式会社 エーディ企画印刷¥304,7165月15日
大塚 みどり4月26日株式会社 エーディ企画印刷¥304,7165月15日
関井 利夫4月25日株式会社 PARC¥289,4405月15日
岡部 和子4月30日めもり堂¥93,8005月27日
平田 不二香4月24日イハラデザイン¥368,5005月15日
山上 高昭4月24日イハラデザイン¥260,4965月15日
田中 健一4月24日イハラデザイン¥260,4965月15日
河村 康之5月20日株式会社 エーディ企画印刷¥304,7166月5日
松田 美由紀4月30日大同印刷株式会社¥164,0165月27日
平井 信太郎4月30日はんこはんず二日市店¥164,0165月27日
森 和也4月30日はんこはんず二日市店¥271,3505月27日
福澤 信光4月25日道 DESIGN office¥347,3285月15日
松﨑 正和5月24日株式会社 ミドリ印刷¥274,7006月5日
中村 真一4月26日西日本印刷工業株式会社¥130,2485月15日
渡邉 知之4月30日株式会社 プロゴワス 福岡オフィス¥375,2005月27日
inserted by FC2 system